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卒業生に聞きました。
Vol.063 佐藤・川口さんの場合

Q. 免許を取って何か変わりましたか?
佐藤 ちょっと大人になった感じがします。高校生から大人になったような。
親にも「もうこんな歳になったんだね」って言われました。「実感が湧かない」「ありえない」とも言われましたけど。
もう運転はしましたか?
佐藤 昨日、運転しました。
親に隣りに乗ってもらったんですけど、とにかく「遅い」と(笑。
狭い細い道で怖いから、「しょうがないじゃん」って思うんですけど、「後ろが来てる」「もうちょっと早く」と。
今日も特訓して来ました。さっき。ね?
川口 特訓? ん?…特訓?(笑
佐藤 練習…かな(笑。
もう何が難しいって、駐車がやっぱり難しいですね。(場内コースのような)ポールがないと…(笑。
「真っ直ぐ綺麗に」は、なかなか。アレが体に染みついちゃってるので。
川口 ガラ空きの駐車場ならまだいいけど、隣りに車が停まってるとこだとね、
怖い(笑。
佐藤 しょうがない。
もう、そこは慣れだから。
では、運転していて「大人だな」と感じる瞬間は?
佐藤 この動作がとか、この仕草がとかじゃないんですけど、運転してて隣の人と喋ってる感じ、ですね。
川口 ウソ? 喋ってる?(笑
今日来るときも「怖い怖い怖い」しか言ってないじゃん(笑。
佐藤 それはしょうがないじゃん(笑。
ホントに怖かったんだから。
他にも「変わったな」と感じる点は?
佐藤 あと、変わったのは「事故も違反も他人事じゃなくなった」というところです。
特に今日は街中に警察の人が多くて。なんか…ドキドキしました。何もしてないんですけど(笑。
今までは自転車だったから、警察の人が立っててもたいして何も感じなかったですけど、今は免許取って運転してる立場なので、「(違反すれば)捕まる対象になっちゃったんだ」という…。
なるほど。取り締まりの対象に。
佐藤 何もしてないんですけど、「…え?私、何かしたかな?」と。
挙動不審になっちゃって(笑。
川口 なんか、笑われてたね。警察の人に。
佐藤 笑われた(笑。
初心者マークつけてるから、微笑ましいって感じだったと思うんですけど。ご苦労様です、って、敬礼でもすれば良かったなー(笑。
ただ、今はまだ、何やったら違反になるか捕まっちゃうかがまだ実感として分かってないので、ヘンにドキドキしちゃいます(笑。
川口さんは?
免許を取って何か変わりましたか?
川口 え?私ですか?(笑
私はまだ昨日免許証をもらったばかりで、運転もまだしてないですし…。
では、免許証は?
もう人に見せたりしました?
川口 いえ。まだ親にしか見せてないです。
写真が…。人に見せられない(笑。
佐藤 分かる。私もそう。酷かった(笑。
想像以上。想定を超えてた。
写真うつりが…と、皆、言いますよね。
佐藤 がんばってかわいく写ろうとして、逆に裏目、みたいな(笑。
川口 ただ状況的にも、撮影は一瞬だしね。どうすることもできない(笑。
佐藤 (写真撮影は)流れ作業で、皆が列になって並んでて、次の人達が皆、こっち(撮影されるのを)見てるんですよ。バッチリ目が合うし(笑。
川口 そう。目が合う(笑。 あれ、キツイね。

 
Q. 初めての乗車は?いかがでした?
佐藤 最初は、怖かったです。ホントに自分で運転できるのかな、とか。
そしたら、先生が「皆が皆やってることだからそう心配しなくても大丈夫だよ」と言ってくれて。「じゃ、ちょっと頑張ってみようかな」と思えた、という。
何が怖かったんでしょうか?
佐藤 壁とかポールにぶつかっちゃうんじゃないか、と。
何も知らない、ブレーキもアクセルも加減が分からない状態で。怖い、と、不安。あと、緊張と楽しみ。
楽しみではあるんですよ、一応(笑。 
ただ、そういうのがいろいろ混ざった感じでした。
怖さがなくなってきたのはいつですか?
佐藤 2~3周、回ったら「…あれ?イケるかも」と(笑。
「楽しい!」に変わりました。
早い(笑。
佐藤 ただ…私、その時間、内周で脱輪しちゃって。
川口 …脱輪?内周で?
佐藤 内周で(笑。 しかも、3回ぐらい。
脱輪したな、と自分で分かりました?
佐藤 はい。段差があるというのは分かってたので、ゴトンとタイヤから段差を感じて、「あ、脱輪だ」と(笑。
ハッとして「怒られるかな…」と思いましたけど、「大丈夫だよー」と言ってくれて、ホッとしたの覚えてます。
川口さんは?
初めての乗車はいかがでした?
川口 アクセル(ペダル)を踏むのにためらいました。
動き出しはブレーキから足を離すだけなので良かったんですけど、「じゃあアクセル踏んでみて」と言われて。軽く踏むと、「あー踏みすぎ」と言われて。「えぇ!?」(笑。
踏む力加減が分かってないから、「これだとダメなんだ」と。そしたら、踏むのをためらうようになっちゃって。
もっと踏んで、と言われるんですけど、また注意はされたくはないし…(笑。
そのためらいはいつ頃まで?
川口 いえ。その1時間だけで(笑。
次から気にならなくなりました。
早い(笑。
川口 ただ、次の時間からだんだんやることが増えてきて…今度はウインカーとかミラーとか目視とか。
はい。
川口 最初は障害物もただよけて走れば良かったのが、だんだん、ウインカーで合図をしなきゃいけないとか。安全確認の項目が始まったら、目視しなきゃいけないとか。
佐藤 そう。あわてちゃう。
やることが多くて。
川口 やりはするんですけど、
危なっかしくて(笑。
ハンドル切るのもちょっと遅くて、ガードレールにつっこむんじゃないかと。しょっちゅうブレーキ踏まれてました(笑。
佐藤 同時にいろんなことやる、ってのがね。
川口 1つのことやると、1個忘れる(笑。 
「あ…」って。
「あ。見てなかった」「あ。左、目視してない」。
あ、思い出した。河村さん(指導員)、私が目視を忘れてると、ドアのとこをコンコンとやるんですよ(笑。 
「あ…」って。
佐藤 いいね。やさしいねー、河村さん。「目視は?」とか言われるより良くない?
川口 まあ、そうなんだけどね(笑。
佐藤 強く言われるより、はるかにいいよー。


Q. 苦労したのは?
佐藤 S字です。正直、S字は今でも苦手意識があります(笑。
S字も最初はできてたんです。「近い」とか「ギリギリ」とか言われてたんですけど、感覚で通れてた。
で、S字・クランクと通れて、次にもう一回、S字に行ったときに、さっきのクランクの感覚がしみついちゃって、ハンドルを多く回しすぎて脱輪して…。そこからです。
クランクは大丈夫だったんです。クランクはいけるんですけど、S字が…(笑。
修了検定もS字でダメだったんです。
そうだったんですか…。
佐藤 修了検定、2回落ちてるんですよ。 私、本番に弱いんです。手が震える(笑。
1回目は頭が真っ白になって…。合図を出さずに行こうとしてて、(検定員に)「ウインカー出してないよ」と言われて、パーンと頭が真っ白になって、白線がどこの白線かも分からず、合流する地点で対向車線に入って走っちゃってた。逆走という(笑。
瞬間、落ちたなと分かりました。
で、2回目がS字で…。
検定、2回も落ちたなんて……恥ずかしいんで、できたら載せないで欲しいんですけど……まあでも、いいや、もう(笑。
ここまで喋っちゃったし。
載せても大丈夫ですか?
佐藤 はい(笑。
人生いろいろあるから、これもイイ経験だと自分に言い聞かせて…。
ポジティブですね(笑。
川口さんは?苦労したのは?
川口 私は、運転に関してはそれほどでもなかったんですけど、大変だったのは、テストですね(笑。
効果測定。あれがもう…(笑。
佐藤 あー言ってたね。
川口 もう、テスト、すごい嫌だった(笑。
あれ、1段階で4回合格しないといけないじゃないですか? で、最初は「まあ、大丈夫っしょ」とタカをくくってたら、周りがどんどん受かってく(笑。
いつのまにか私だけになっちゃって、ヤバイヤバイとあせりだして。結局、「この日までに合格しないと乗車ストップね」という、ギリギリまでずっとテスト受けてました(笑。
しかも、2段階でも同じことして、ギリギリまで…。
1段階で痛い目をみて、学習したはずが…
川口 はい。
まったく同じことを繰り返して(笑。
「まあ、まだ時間あるし、今度は大丈夫っしょ」と。自分の悪いクセなんですけど、「せまってこないと危機感を感じない」、「本番直前であせる」。割と、いつものパターンです(笑。

 
Q. 印象に残ってる指導員は?
佐藤 渡邉さん(現・管理者)です。
出会ったのは、検定の補修を受けた時で、その時間、たまたま用事があって遅刻しちゃって…。
で、1時間ずれたことで先生が渡邉さんになったんです。で、「さっき走ってた人だよね?」と言われて。
走ってた人?
佐藤 遅刻しそうで、走ってたんです。走って玄関に入って、思いっきり滑って転んだんです(笑。
尾てい骨を思いっきり打って。
川口 私、彼女が転ぶ瞬間を外で見てました。
視界から消えるぐらいの勢いで(笑。
佐藤 もうね、恥ずかしい以前に、めっちゃ痛かった。昔からよくスッ転ぶんです…(笑。 幸い渡邉さんにはその瞬間は見られてなかったんですけど。
ただ、その日、せっかくS字ができるように渡邉さんに教えてもらったのに、本番(修了検定)でまた頭フワフワで。申し訳なかったですけど。
で、その後もずっと渡邉さんに講習をお願いしたいと思って、さっき話したこととかいろいろ経緯を聞いてもらって、2段階はほとんど渡邉さんに担当してもらいました。渡邉さんが無理なときは伊藤さんで、と。
渡邉さんは他の指導員とどこか違うんでしょうか?
佐藤 これが、あるんですよー。違うところ。私、気づいたんです。
チャイムが鳴って「ありがとうございましたー」で終わるじゃないですか。普通は「じゃ、次も頑張ってねー」で、スタスタスタ(と行ってしまう)、なんですよ。渡邉さんは一緒に行ってくれるんです。車を降りてから、校舎の入口まで。私を待って、一緒に歩いてくれる。
これはね、「やさしさ」ですよ。当たった人にしか分からない。
川口 えー。
佐藤 え? 嬉しくない?
川口 私はイイ。
いち早く一人になりたい(笑。
終わったなら、早く一人になりたい。
私、人見知りだし、気疲れしちゃう。
だから、いつも「次も頑張ってね」と言われたら、「どうもありがとうございましたー」って荷物取って、先生を残して、私が先にサーっと出ちゃう(笑。
佐藤 えー。
川口 でも、渡邉さんの良さはね、分かる。
私、渡邉さんは1回も当たったことないんですけど、いつも彼女(佐藤さん)と一緒にいたので、私のことも覚えてくれてて、彼女がいない日も私に声をかけてくれて。
佐藤 でしょー?
友達のコに聞くと、「バイクいいなあ」って言ってたら、渡邉さんが「またがってみる?」って車庫まで案内してくれて、実際バイクをまたがしてもらったんだって。
川口 あ、私も聞いた、その話。
佐藤 渡邉さんは上の人でホントは偉い人のはずなんですけど、何でしょう、偉そうぶらないんです。上からじゃないんです。偉そうぶらない。そこがいい。
なるほど。上から目線じゃない、と。
佐藤 はい。
上から目線の先生だとちょっと…(笑。言い方がキツイとかそういうのも含めて、私は気にしちゃうほうなので、なかには、ごめんなさいという方もいて。
渡邉さんとか伊藤さんとか、ああいう世間話ができる人がいいです。世間話ができると嬉しい。
なので、私、河村さん、好きです。
気のイイおじいちゃんって感じですよね? おじいちゃんだなんて、怒られるかな?(笑
ちゃんと言うことはビシッと言ってくれるし。こっちも言えるし。
希望を言うと、苦手な先生を避けて、好きな先生3人ぐらいでランダムに当たって欲しいです(笑。
川口 私、あの(乗車の)カードを差す時のあの緊張感がイヤだった(笑。
まず初対面が得意じゃないというか、苦手なので…。知らない名前が印字されたら「この人、どういう人?」って周りに聞きまくってました(笑。
ただ、あんまり人の話をアテにしちゃいけないなと思ったのが、河村さんで。「怖いよ」って聞いてて、「どーしよー」と思ったけど、実際は全然なんですよ(笑。 やさしいし、喋れるし。「何でだろ?」って。
合う・合わないもあるとは思うんですけど、あんまり人の話を鵜呑みにしちゃダメだなと思いました。
では、川口さんは?
印象に残ってる指導員は?
川口 私、特にいないです。
佐藤 えーー(笑
ちょっと待って下さい(笑。
では、しいて挙げるなら?
川口 しいて挙げるなら…ですか?
あ。鈴木英正さんです。
ダメなときは言ってくれるし。アドバイスも分かりやすくて、気を遣わなくてもいい。やりやすかったです。一番気を遣わなくていい人。
佐藤 あれ?伊藤さんは?ダメ?
川口 伊藤さん、良かったですね。やりやすくしてくれるとこが。
佐藤 私、伊藤さんに相談されたことあるよ。「彼女(川口さん)にどう接していいか分からない」って。
川口 ウソ? 何それ(笑
佐藤 ホントホント。「面白い子ですよ」と答えたんだけど(笑。
で、その後の次の時間がまた伊藤さんで「彼女、どうでした?」って聞いたら、「佐藤さんの言う通りだった」って。
川口 へー。…知らなかった(笑。
伊藤さんはまったく関係ない話から、こっちの緊張をほぐしてくれて。こっちが(緊張で)「ハァ…どーしよー…」ってなってたら、「川口さんは、もしかしてハーフなの?」とか(笑。
佐藤 それ、言ってた(笑。
川口 「はぁ?」って話をよくする。そういう、もってくのが上手いな、と。こっちがやりやすくなるようにしてくれる、というか。
あ、あと、小林英里香さん(現・五十嵐)、良かった。
結構、出てくるじゃないですか(笑。
川口 そうですね(笑。
佐藤 私も小林さん、好き。背が高くてうらやましい。
川口 いいよね。
佐藤 1回、「背が高くてイイですね」って言ったら、「高すぎるのもヤダよー」って返してくれて、「じゃあ私と足して2で割ればいいですね」なんてそんな話をしました(笑。
小林さんで印象に残ってるのが……なんか私が喋っちゃってる(笑。
どうぞ。
佐藤 印象に残ってるのが、小林さんの学科の授業で。話しぶりも熱心で、聞き入っちゃう感じなんです。
私の中で小林さんって、小・中学校の体育の先生みたいなイメージなんですよ。申し訳ないんですけど、オジさんたちの授業の仕方より遥かに上手です。
あ、それは本人聞くと嬉しいんじゃないですかね。
佐藤 すいません。
もう本人に言いました(笑。
あ、そうですか(笑。
川口 私、さっき外で小林さんにバッタリ会って、覚えてくれてて嬉しかったです。
皆、そうですけど、「覚えててくれてる」っていうのはすごい嬉しい。
伊藤さんも、路上で初心者マークつけた車とすれ違うと、「今の子、昭和に通ってた子だ」とか言ってたりとか、手を挙げたりしてて、「へー覚えてるんだ」って。
そういうのって嬉しいですよね。受付の人達も─
佐藤 そう。イイ人だなあ、って思う。
川口 ね? なんか、見てて楽しそうですよね。楽しそうな仕事だな、って思いました。たぶん大変なこととか一杯あるとは思うんですけど、楽しそう(笑。
そうですね。仕事中に大爆笑してることもありますけど…
佐藤 そういうのがイイんです。よく声かけづらい雰囲気の受付とかあるじゃないですか。そういうのがないから。いつも笑顔で、喋りやすい。一人一人に丁寧だし。
私がコケたときもこっちが恥をかかないようにちゃんと笑ってくれて、「大丈夫?」って。イイ感じにしてくれて、救われたというか。
あと、私が検定落ちたときも「次あるから、がんばって」と、励ましてくれて。
川口 ま、あの、彼女みたいに目立つ人は分かるんですよ。かかわりがあって、印象に残って、とか。そうじゃなくて、特別、何もなくても覚えてくれてるので。私みたいに、あんまり印象がないはずなのに、それでも覚えててくれてる、というのが嬉しいですね。
今日も玄関から入ったら、「あ。こんにちはー」って向こうから気づいてくれて。ちょっと嬉しかった(笑。
  

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「イエーイ、路上だ」