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先輩社員に聞きました。

Vol.005(対談)

長倉将之 × 五十嵐英里香

長倉将之/技能検定員
2012年入社(中途採用)

五十嵐英里香/教習指導員
2010年入社(新卒採用)

── 入社してみて感じた職場の雰囲気は?
長倉 初めに思ったのが「家族みたいだな」と。皆、仲が良いんだなと思いました。ギスギスもしてないですし。
── ワイワイと家族みたいな雰囲気。その輪の中心にいたのは?
長倉 伊藤さん(伊藤剛)ですね(笑。
── 五十嵐さんが感じた職場の雰囲気は?
五十嵐 私は長倉さんと違って、入社当時は右も左も分からない状態で。職場の雰囲気がどうだとか感じる次元じゃなかったですね。余裕もなくて。
長倉さんは有資格者で中途採用。五十嵐さんは新卒採用で、入社当初は指導員の資格取得に向けて勉強と練習の日々でした。
── と、いうと?
五十嵐 まず資格がないから仕事にならないですし。私はまだ何もできないし、誰の役にも立てないし、と、孤独を一人感じてました(笑。
同期もいなかったですし。
そこからなんとか資格を取って、教習ができるようになって、少しずつ自分でできることが増えてきて─。そこでやっと初めて「あー、家族みたいだな」と感じられるようになりました。
── 長い。感じるまでが長いです(笑。
五十嵐 私は人に慣れるのにも時間がかかる人間なので。最初の頃は、ずっと一人で縮こまってました。
── アレでですか? とてもそうは……
はい。では、入社当初の心境は?
五十嵐 もう数十年前のことなので、あんまり記憶が…。
── 10数年前です(笑。
五十嵐 何をやっていいかもわからない状態で、資格審査(資格試験)へのプレッシャーに押しつぶされそうだったこと以外、ほとんど覚えてないですね。
── ほとんど記憶がない、と。
五十嵐 というのも、入社と同時にすぐ事前教養(資格を取るための集中講座)が始まったので、入社したばかりなのに会社にいる時間も短くて…。
── なるほど。それは無理もないですね。
 

 ☆入社日の初日について

── では、初出勤日は?いかがでした?
長倉 初日のことはあんまり覚えてないんですけど、芦澤さん('19年定年退職)だけが声をかけてくれて。それはすごい覚えてます。
朝一で何をすればいいのかと棒立ちになってる時に、芦澤さんが「そこで突っ立っててもしょうがないだろ。車でも拭けよ」と。
── 芦澤さんらしいですね。あえて粗暴な言葉で。救われますね。
長倉 ありがたかったですね。
といっても、自分も有資格者ですし、指導員が朝からどういう動きをするのかどういう準備をするのかというのは分からなくはないんです。ただ、掃除道具がどこにあるかも分からないし、誰が担当してる車なのかも分からないのに自分が勝手に拭いていいものか、そもそもこのタオルを使っていいのかも…とかいろいろ迷ってて─
── 分かります。動こうにも、あれこれ気は回しますよね。
長倉 はい。
── 分からない時は誰に聞いてました?
長倉 席の隣りが佐野さん(佐野弘勝)だったので、佐野さんに聞いたり。
あとは山田さん(山田昂平/'13年退職)ですね。
五十嵐 山田さん! 懐かしい(笑。
長倉 そう。昂平とすぐ仲良くなって、細かいことまでいろいろと教えてもらってました。
その時は「山田先生」と呼んでたんですけど、「先生とかやめてください。かゆくなります」と言われて(笑。
昂平と呼ぶようになるまでがホントに一瞬でした(笑。
── では、五十嵐さんは?
勤務初日は何をしてました?
五十嵐 協会(静岡県教習所協会)での事前教養はこういうものだよ、というレクチャーを受けてました。
正直、その内容に驚いて…。こんなに勉強することあるの? 私大丈夫かな? こんなにやることあんの? という連続で。若干、引きました。
ちなみに、そのレクチャーして下さったのが今の管理者(渡邉明彦)です。
── そうでしたか。
当時、管理者とはすでに面識が?
五十嵐 ありました。私の入社試験の実技(運転面接)で試験官をされていて。面識はありました。
ただ、もう、その実技試験で私はやらかしてたので、恥ずかしくて恥ずかしくて…(笑。
── やらかした、とは?
五十嵐 校内コースを軽く運転するんですけど、クランクで脱輪したんです(笑。
長倉 え?(笑
五十嵐 管理者は「運転は採用結果に何も影響しないから」「気楽に、気楽にね」とやさしく言って下さってたんですけど。「こりゃあ受かんないわ」と自分では思ってました(笑。
入社試験には実技(=運転面接)もありますが、あくまで面接の一環です。運転技術を問うものではありません。ご安心ください。
 

 ☆「面接」について

── 面接で心がけていたのは?
長倉 やっぱり「この仕事がしたい」と思ってたので、その気持ちだけは伝えないと、と思ってました。
当時、(前職の)指導員の仕事が1年ごとの契約社員で、3月いっぱいで契約終了というのが決まっていて。次の職場を探さないとという状況でした。
で、実はここ以外にも、もう1件別の会社で面接を受けていて…。カー用品の大手チェーン店です。枠はアルバイト募集だったんですけど、自分は二級整備士の資格も持ってるので、「バイトと言わず、正社員でどう?」と言われてたんです。
けど、やっぱり指導員の仕事がちゃんとやりたいという気持ちが強くて。
それを面接の場でなんとか伝えようと思って、臨みました。
── 五十嵐さんは?面接で心がけたのは?
五十嵐 自分自身を飾らずに、自分の良さを出せるように、と努力した記憶があります。…ただ、もう、とにかく緊張してて。出し切るように、全部を出し切るように、と思ってました。
この後、実技でやらかす30分前の話ですけど(笑。
── その入社試験の実技、長倉さんは受けてないんですよね?
五十嵐 え、そうなんですか!?
長倉 自分はなかったですね。当時の管理者(栗田公義/'18年定年退職)が「運転? 資格持ってるんだから大丈夫でしょ。いい、いい」と言われて。そのまま採用試験が終了…(笑。
正直、自分は運転でしかアピールできないと思ってたので、大型車でも何でも乗りこなしてやる! 何でも来い!というつもりで来てたんです。
運転する気マンマンだっただけに、拍子抜けしました。
── では、面接での手ごたえは?
長倉 手ごたえは、なかったです(笑。
肝心の運転もしなかったですし。
── 五十嵐さんは?
五十嵐 私も手ごたえは全くなかったです。技量的にも(笑。
その日、家に帰って「たぶん落ちたと思うよ」と言ってたので(笑。
 

 ☆自由と不自由について

── この会社で自由だなと感じる点は? 
不自由だなと感じるところは?
五十嵐 自由だなと感じるのは、練習時間ですかね。
免許さえ持ってれば、昼休みとかコースで練習ができますし。技量で足らない点があれば振り返りもできますし。そのあたりは自由にやらせてもらえてます。…そういうことではない?(笑
── 合ってます。大丈夫です。
五十嵐 あとは、休日面ですね。娘がいるので、保育所の行事に合わせてお休みを変更できるという点です。
変更できるといっても周りの指導員さんの理解や協力があってできることなんですけど。そういうのも含めて、ありがたいなと思ってます。
あと、出産・産休・復帰…と、こちらのニーズに合わせて「残業はナシ」とか、働き方を合わせて下さっているので、そこもありがたいと思ってます。
不自由さは…。難しいですね…。
時間で動いているので、教習が50分間あって、終わった後の次の教習までインターバルが10分しかないんです。実質7分あるかないかぐらい。それが不自由かもしれないです。
── 業種としての不自由さがある、と。
長倉 たしかに。トイレに行くのを逃しちゃう、とかは、指導員あるあるだよね。
五十嵐 そうなんですよ。その何分間かの中で車両を片付けて…。大型車を片付けてけん引車を出してきて…という最悪なパターンだと、トイレにも行けなくなるぐらいで。心にゆとりがないですね。
── なるほど。
不自由さは他にもありませんか?
長倉 んー。発着点に屋根(屋根付きの通路)があったほうが良かったな、とか。ですかね?
実際、雨の日に車を降りて説明する時に、生徒さんも一緒に濡れちゃうので不便は不便なんですよね。
── なるほど。物理的な不自由さですね。
では、自由なところは?
長倉 自分がやりたかった企画(プラストレーニング、等)をやらせてもらえる、というのはあるかもしれません。
あと、例えば、競技大会なんかも希望して行けるものではなかったりするのに…会社によってはムリと言われることもあるはずですけど、ここでは「頑張ってきて」と送り出してくれるので。
そういう自由度は高いかなと思います。
── 企画は自分で発案を?
長倉 そうですね。今までやってこなかったような新しい試みとか、そういうのを考えたりするのが好きなんです。
── とはいえ、企画すればすんなり通るものでもないですよね? 確率的に企画が通るのは?
長倉 70~80%ぐらい、ですかね。もちろん企画の内容や質にもよるとは思いますけど。
── 企画前のアイデア段階で他の誰かに相談したり、も?
長倉 宣さん(鈴木宣芳/副管理者)にはよく相談してますね。
かしこまった場だけじゃなくて、普通に喋ってる時なんかでも「こういうのやってみたいんですけど…」と言ってみたり。逆に宣さんから「こういうの、どう思う?」と聞かれたりもします。
 

 ☆教習生との接し方について

── 教習生との接し方で心がけてる点は?
五十嵐 できてるかどうかは自信がないですけど、「50分間の中で生徒さんが少しでも多く習得できるように」というのは常に考えてます。
なので、何が今うまくいってないか、観察はすごいしてます。
── 観察。
五十嵐 今どこができていて、どこができてないか。じゃあ、どうすればできるようになるのか。何が原因か─。そして、それをできるだけ分かりやすく伝えられるように、と努力してます。
── 伝えたものの、相手の耳には届かず「伝わってないな…」と感じた時は?
五十嵐 繰り返します。
でも、同じ言葉をただ繰り返しても届きそうにない時は、グルっと1周回ってさっきと同じ状況をもう一度作ってみたり…とか。
── なるほど。手を替え、品を替え。
五十嵐 そうですね。なんとか気づいてもらえるように。
「こういう理由があるんだよ」とか「こうなってるところを次はこうしてみて」とか言いながら、できるようになるまでネチネチ言います。
── ネチネチ(笑。
五十嵐 ネチネチ言ってますね(笑。
ひょっとしたらウザいと思われてるかもしれないですけど、その生徒さんにとっては(オーバーすると)余分にお金も時間もかかることなので…。こっちも必死です。
50分間って、短いんですよ。思ってる以上に短いんです。
その中でできるだけ、なんとか…。この時間内でここまではなんとか…と。
長倉 ここまでのレベルにまでは持ってってあげないと…ってね。
五十嵐 でも、こっちの気持ちばっかり先走っちゃって(笑。
長倉 あるね。気持ちばっかり先に行って。
五十嵐 オーバーすると余計にお金がかかっちゃうし…とか、勝手にあせって一人でイライラしちゃってる時があります(笑。
── では、その教えきれなかったことを次の指導員に託すというのは?抵抗あります? 言いづらい、頼みづらいとか─
長倉 いえ、まったく。
五十嵐 私もまったく(笑。
── そういうものなんですか。
長倉 はい。まったく。
頼むね、よろしく!という感じです。
── いつ(教習内容の)引き継ぎを?
長倉 インターバルの間ですね。
インターバルの間に次の指導員をつかまえて、「こうやったけど、うまくいかなかった」「これは試した。こっちはまだ」とか要点を手短に伝えて、確認し合ってます。
あと、自分が引き継いだ時も、教習を始める前に必ず「前の時間でどういう風に教わりました?」とか「このパターンはやりました?」とか、生徒さんにも聞くようにしてます。
── それ、二度手間になりません?
長倉 それはそうかもしれないんですけど。「さっき習ったことと違うんですけど」と言われちゃうのは悲しいので。
── なるほど。 では、長倉さんが教習生への接し方で心がけてることは?
長倉 笑顔ですね。
冒頭、まず笑顔から教習を始めるようにしてます。今はマスクをしてるから(※取材時はコロナ禍でした)表情が伝わりづらくはなってるんですけど、教習の入り方…まず笑顔で教習をスタートするように、と考えてます。
というのも、昔、自分がはじめて免許を取りに行った時、通ってた教習所の先生が…いかつい人達ばっかりだったんですよ(笑。
教習中も常に「怒ってんのかな?」という表情で。「なんか怒らせちゃったかな…」とか気にしつつ教習を受けてて。当時、それが「イヤだな」「怒ってんのヤダな」と感じていたので。
── 教習生としてイヤだった、と。
長倉 はい。なので、自分が教習する側に立った時、「ああはなりたくないな」という気持ちがあります。
── なるほど。
長倉 「冒頭に笑顔がある・ない」でどれほど差があるかは正直分からないですけど、無表情で「ハイハイ始めるよ」よりは、ずっと気分がいいと思います。
やっぱり生徒さんにとっては違うと思いますし、最初の笑顔があることで、こちら側の気持ちも違ってくるので。
…と言っても、いざ教習が始まったら眉間にシワが寄ったり、曇った表情になったりは確実にしてると思うので…、ただ単に情緒不安定な人だと思われてるかもしれないです(笑。
「この人、さっきまであんなに笑顔だったのに」と思われてるかも。
── 教習中にイライラはします?
長倉 …します。イライラしてます。大半が自分に対してですけど。生徒さんに対してのイライラではないです(笑。
「何だ、今のは。もうちょっと良いように言えただろ」とか自分に対して思ったりしてます。
五十嵐 長倉さんでもあるんですね。
長倉 あるよ。ある。
反省することは多いですね。さっきのはああ言えばよかった…こうすればよかった…とか。
── その反省から活かされたことは?
長倉 例えば「S字ができない」と言う生徒さんに、言い方を変えて伝えてみて、100%できてなくても、さっきより少しでもできてるとこがあれば、「いいじゃん!」って言うようにしてます。
いきなり完璧を求めるのではなく。「そうそうそう、それそれそれ!」「そう!」とか言ったりして。
── それでも伝わらない時は? うわ、全然聞いてないな、とか。
長倉 伝わってない!と感じることはあります。でも、全然聞いてないな…というのはないですね。こちらが喋れば、生徒さんも何か耳に入れようとはしてくれるので。
全然聞いてないという状態は「もうこの人の言うことは一切聞かない」と決めた時ぐらいしかないと思います。
でも、それはさすがにないですね。
これ、また自分が教習生だった頃の話になるんですけど─
── どうぞ。
長倉 自分が教習生の頃、一人、指導員にいたんです。「この人の言うことは一切聞かないようにしよう」と思うほどの指導員が。
「うわ、この人、ダメだ…」と思って、自分は全然言うとおりにしなかったです(笑。
五十嵐 へー。
── ヤな教習生ですね(笑。
長倉 はい(笑。
── では、今、その人を反面教師に?
長倉 そうですね。その経験があるので、ああはなりたくない。
今は、反面教師として「自分はあの人と同じようになってないか?」と振り返る存在になってます。
 

 ☆先輩や後輩へ期待すること

── では、先輩に対して期待することは?
もっとこうして欲しい、とか。
長倉 先輩に対してですか? んーーー。
── では、五十嵐さんは?
五十嵐 私もそんな…。分からないこととか聞けば、皆さん調べて教えてくれますし。不満なんて特に。
長倉 自分も基本的に不満はないですね。先輩の中で頼りにならない人はいないですし。
── では、後輩に対しては?
長倉 後輩に…? んーー、それもあんまりないんですけど。…ある?
五十嵐 んー。
長倉 …つまんないことでもいいですか?
── どうぞ。
長倉 水道の掃除しろよ、とかは思いますね。気づいてるならやれよ、と。
五十嵐 フフ。でも、昨日は渓太さんが「長倉さん!掃除ありがとうございます!」って言ってましたね。
長倉 まあ、でも、渓太はね、言うけどやんないの(笑。
五十嵐 そうなんですか?(笑。
── では、今の話をまとめると─
長倉 もっとコースの草刈りとかもやれよ、と、後輩に対してちょっと思ってます(笑。
── はい(笑。
長倉 あと、これはマジメな話、いろんな車種の教習ができるように資格を取って、幅を増やしてほしいなとは思いますね。そこで初めて見えてくるものがあると思うので。
自分の話で言うと、ボクも最初二輪はやりたくなかったんです。
五十嵐 へー。そうだったんですか。
長倉 でも、宣さんに何度も勧められて。で、チャレンジしてやってみると、これがまた面白くて。
二輪の教習をしてると、「ここは普通車にとっては危ないな」とか、立ち回りが分かるというか。もっと全体が見えるようになってきて─
五十嵐 あー分かります。普通車だけを教習してる時には分からなかったこととか。
長倉 そう。実はジャマしてて他の車に気を遣わせてたんだな、とか。コース内での立ち回りが分かるようになりますし。周りが見えるし。あと、自分のスキルも間違いなく上がりますしね。
なので、幅を増やしてもらえるといいかなと思います。
もし、そのための練習で時間をとられて忙しいということなら、草刈りでも何でもオレがやるよ、と思います。
─といっても、今は皆それぞれ、渓太や土井さんも頼まれ仕事とか、何かしら仕事を抱えて忙しそうにしてるので、なかなか難しいとは思うんですけどね。
── では、五十嵐さんは?
五十嵐 私も長倉さんと一緒で、資格は増やしてもらえるといいなと思います。(私たちの)体の負担という面でも(笑。
いろんな車種で教習ができる人の数が増えれば、単純に、偏りがなくなるので(数人しかいないと、その数人にすべての教習が集中してしまう)。
二輪とか、窓がない大型特殊の教習とか、3時限連続で教習が入ってると、身体面でキツイですもん。真夏と真冬は特に。
長倉 真夏のコースの炎天下とか、真冬の吹きっさらしね(笑。
五十嵐 そう!
皆で順番に平等にやりましょう(笑。
 

 ☆これから入社する方へ

── では、これから入社する皆さんへメッセージを。
長倉 最初のうちは大変で、目が回っちゃうと思うんですけど、そこを乗り越えれば、ホントにやりたい仕事とか見えてくると思うので。頑張ってください。
乗り越えれば、きっとこの仕事の楽しい部分が見えてくると思います。
── では、五十嵐さんは?
五十嵐 人と接することが好きな人で、くじけないで続けられる根気のある人なら、大丈夫だと思います。私もそういう人と一緒に働きたいなと思ってます。
あと、私自身、入社前は普通車AT限定免許しか持ってなかったんです。スタートはそこなんですよ。入社が決まって、教習生としてAT限定解除をして。
そういう人間でも─
── 全車種制覇もできる、と。
現在、五十嵐さんは全車種の免許(第一種)を所持しています(運転できる免許と教習できる資格の双方を取得)。
五十嵐 そうですね。私みたいにセンスがない人でもできることなので。
── それにしても自己評価が低いですね。センスがないとか、ネチネチとか。
五十嵐 いやいや、不器用なんですって。ホントに。
初めて免許を取った時(普通車AT)も内周の何もない場所で脱輪してましたし…結局、3Hオーバーしてましたし。入社前にAT限定解除したときも3Hオーバーしました。不器用なんです。
長倉 まあ、でも、技量は磨けば身につくからね。練習すれば。
五十嵐 そうなんです。
練習すれば、ある程度はサマになるというか、形になると思います。
── サマになってきたなと思ったのは? 
いつ頃でした?
五十嵐 指導員をやりながら、ですね。
今思うと申し訳ないんですけど…
指導員になりたての最初の頃は、教習でMTの構造とか説明してても自分自身がちゃんと分かってなかったと思います。
── では、長倉さん。先ほど触れた「この仕事の楽しい部分」とは?
長倉 まったくできなかった生徒さんが自分の発した言葉でできるようになると、嬉しい。嬉しくなる。
そこがこの仕事の楽しい部分だと、自分では思ってます。
この仕事はただ横に乗ってるだけじゃないですし。
── …と言うと?
長倉 友達とかに時々言われるんです。「横に乗ってるだけでしょ?」「ラクでいいね」なんて(笑。
いやいやいや、そんな言うならやってみろ!と、つい思っちゃいますけど。
── なるほど(笑。
長倉 指導員はただ横に乗ってるだけじゃないんです。
限られた時間の中で、はじめてハンドルを握って…運転するのは今日がはじめてという生徒さんを相手に、技量も知識もある一定以上のレベルにまで引き上げる─。
それがどれほど難しいことか…。
ましてや人それぞれ性格もタイプも全然違うわけで。
五十嵐 ホントそうですね。
いろんな性格の人がいますから。厳密に言うと、全員が全員違いますし。
いつまでたっても難しいです。
── では、何度も聞いてますが、言ったことが伝わってないと感じた時は?
長倉 別のアプローチを考えます。
AでダメならBで、AもBも両方ダメなら、A'はアリなのか?とか─
五十嵐 考えますね。
── 実際、教えてできた時の反応は? やったー!できた!という方もいれば…
長倉 心の中ではガッツポーズしてても表情に出さない人もいますしね。
五十嵐 あー分かる(笑。
長倉 「やったじゃん!できたじゃん!」「はぁ…」みたいな。 
「喜べ!」と言ったりします(笑。
 

 ☆周りからの期待は?

── では、最後に。周りからご自身に期待されてることは?
長倉 講習関係の充実とか、新しい企画を考えるとか、そういう部分かな、とは思います。
あとは、班の班長としてもっとしっかりしろよ、と思われてるかもしれないです(笑。
── では、五十嵐さんは?
五十嵐 私は、早く次のステップへ進めと思われてるだろうな、と。
── 次のステップ?
五十嵐 検定員になれ、と。 実際に「検定員を目指せ」と言われたこともあります。
でも、検定員って、指導員とは別のステージですよね?  検定の合否判定をする立場にもなるわけで。
長倉 まあね。合格か不合格かを決めなきゃいけないので。
どんなにイイ人でも、どんなに受からせてあげたい!と思っても、検定員は公平公正。私情を挟まず、平等に合否を判定しなきゃいけないから。重圧が違うというのはあるかも。
  (おわり)