補助線と誘導線を引いて、切り返しすることなく駐車がうまくいく。100坪を越える広さに、練習スペースはたったの2台分。うまくいったら、水が噴き出す。濡れます。そんな駐車場です。 ちなみに、動力はすべて太陽光発電です。 ※ 一般開放は1月27日(土)12:00〜です。

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(前回の記事)
■ 完成に至るまでの過程(1/11)
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■ センサーと太陽光発電(1/20)

「うまく駐車できたかどうかなんて、誰が見て判断しているの?」
 よく聞かれる質問です。ですが、私たちが隠れて木の陰から見張ってるわけではありません。答えは、人ではなく、「センサー」です。すべてはセンサーで判定しています。 ……では、どうやって?



 センサーは全部で6つ、左右の輪止めにそれぞれ3つずつセットされています。これで「車がまっすぐ停まっているか否か」を判定しています。

<センサーの設定>
 設定も何も…なのですが、このセンサーは性能上、輪止めから最大5cmまでしか感知しません。なので、左右どちらかの後輪タイヤが輪止めから5cm以上離れると反応しません。 水を噴くには、車のかたむきは ±2度以内です。(かなりシビアです)

 ※バックをする際は、速度をゆるめて、輪止めにタイヤをソッと当ててください。センサーの故障が防げます。

 言葉ではとても分かりにくいので、図でご説明します。で水が噴きます。×では…何も起こりません。



 右と左の輪止めのセンサーでそれぞれ1つずつ感知できればOKです。 逆に、こんな感じになると、水は噴きません。



 ちなみに、こんな裏話も。

<裏設定(ちゃんと設定したけど使われていない)>

「車がまっすぐに停まっているか否かをセンサーで判定するには?」
 昨年12月7日の夕方─。この日、専門家が集まって、あーだこーだと悩んで2時間半後、彼らが導き出した判定方法は「タッチ差」でした。



タイヤと輪止めを室内に持ち込んで検証をしています。



 車の後輪軸がまっすぐである、という点に着目し、「まっすぐ停まれば、左右の輪止めにタイヤが同時でタッチするはず」→「時速5km/h以下でバックして、ななめに停まれば(車の傾き:±3度)、タイヤが輪止めにタッチするのは右と左で0.2秒差が出る」→「左右のタッチ差が0.2秒以内であれば、車はまっすぐである」→「水を噴く」というものでした。

 これ、駐車車両の(軽自動車や乗用車などの)車種の違いも、タイヤの溝の深さ問題も、数々の難問も一気にクリアできる画期的なアイデアでした。驚きました。



(後日、判明したのですが)この時、この人たち、サイン・コサイン・タンジェントの三角関数を使って何らかの計算をしてました。三角関数…。

 センサーの性能に阻まれて発揮されていない裏設定ですが、この日に生まれたアイデア「左右タッチ差0.2秒」はきちんと回路に組み込まれています。


<水が噴かない理由>
 「まっすぐ停まったのに水が出ない…。何故?」。申し訳ございません。それは、あなたのせいではありません。以下、こんなケースが考えられます。


1、ジワジワゆっ〜〜くりバックした。
 あまりにも、あんまりにもゆっくりジワジワいきすぎるとセンサーが感知しない場合があります。(かといって、勢いよくバックすると輪止めが壊れてしまいます) その際は、少し前へ出て、もう一度バックしてみて下さい。申し訳ございません。あなたのせいではありません。


2、タンクの水が切れている。
 1回の噴霧でペットボトル1本分(約2L)の水を使用します。500Lの大型タンクに水を溜めていますが、私たちが補給を怠り水が切れてしまうことがあるかもしれません。申し訳ございません。あなたのせいではありません。


3、太陽光発電のバッテリー切れ
 雨の日が続いたり、1日の噴霧回数(〜最大50回/日)が多かったりすると、「まっすぐ停まったのに水が出ない」ことがあります。申し訳ございません。あなたのせいではありません。
 そして、お次は、現在も難航している電源について。太陽光発電の話です。

最初に、駐車場の夜間照明はぜひ太陽光発電で…との話をしていた頃のこと、「照明だけといわず、この駐車場にかかる動力すべてを太陽光発電でまかなえるかもしれない。”かもしれない”ですけど…」と提案して下さったのは(株)オーディックスさんです。

 オーディックスさんといえば「Do light! フェスタ」で長年タッグを組んできた仲。この方、社長の畠山さんです。



一定のリズムで淡々と喋る、淡々とした口調とはうって変わって、内面はとっても熱い方です。

 さて、話を戻します。

 この噴霧システムを動かすには、三相200Vの電源が必要になります。噴霧に高圧のコンプレッサーを使っているからです。そのままでは家庭用のコンセントでも動きません。それを太陽光発電で…。後になって知るところですが、これ、正気の沙汰ではないらしいです。



インバーターという変圧器を2つ使って、「太陽光パネルから蓄電した電気」を「使える電気」へと変えていく。太陽光で発電した直流12Vを交流200Vへ、さらにそれを三相200Vへ、と。 バッテリーの数をさらに増やせば、机上の計算ではこれでOKです。 

…が、いざ繋げてみると、それぞれの機械の待機電力の問題があり、動き出す際の瞬間電力もあり、さらに電流圧の問題も…。書いてて意味がよく分かりませんが…とりあえず、難航してます。一般開放の日取りを一度延期したのも、この電源の問題がネックだったからです。

 「じゃあ、さっさとあきらめて、電柱を立てて電線の引き込み工事でもお願いすれば?」

 …おっしゃるとおりです。太陽光発電では噴霧する回数にも制限があります。天候にもよりますが、1日最大50回まで…。さっさとあきらめてしまえばいいのです。

 …あきらめきれません。太陽光発電の話題性を捨てきれません。これは、画期的なチャレンジなんです。。 そして、あきらめきれない理由がもう一つ。この方の熱意があるから。 過去、私たちはこの方の熱意に何度も助けられてきたのです。今回だって、そうなんです。



畠山さんとオーディックスの皆さん、今、頑張っています。 27日の一般開放まであと1週間。よろしくお願いいたします。


 ─では、次回は「駐車場のSTEP3、実践編」と「3つの看板」の話です。
<次回の更新は1月27日頃です(予定)>

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